人材業界を改革する第一人者を目指して
株式会社NEXTスタッフサービス代表取締役 森 龍一
働く人の心の豊かさを数値で定義
当社は労働者派遣をメインに、転職支援エージェントなど人材雇用のプロフェッショナルとして事業を展開しています。私たちは「働く人の心と懐を豊かにする」というミッションを掲げ、実現に向けて取り組んできました。試行錯誤の末、心を豊かにする方法として導き出した答えが、これまであいまいなものだとされていた“働く人の心のコンディション”の数値化でした。派遣スタッフを対象に業務についてヒアリングした主観データと血圧や心拍数を測る生体データ、出勤率や入社率といった生産性の3つのデータを総合し、ストレスを多く抱えている人や退職する可能性のある人を特定して、サポートする仕組みを確立しました。定義が難しいとされてきたものを可視化したことで、課題解決の糸口やサポートの方法が明確になり、派遣スタッフの定着化を実現してきました。また、生体データを取り入れたことで、どの業務でストレス値が上がり、誰と組むかでストレス値が下がるのかなど、目に見えるようになったことで、業務の割り振りもスムーズに行えています。
ほかにも、心のコンディションを可視化したことで派遣元である当社の社員が誰に対して何をサポートすべきなのかがわかるようになりました。現在は約1700人の派遣スタッフがお客様先で勤務しているため、一人ひとりの状況の把握が難しかったのですが、仕組みが構築されてからは取り組むべきことがわかるため、退職など最悪の事態に陥る前に策を講じることができ、社員のマネジメントスキルの向上にもつながっています。派遣スタッフに最大のパフォーマンスを発揮してもらえる環境を作ることで、社員の仕事のやりがいを生み出すことが出来ています。


“人と人の価値”をどう作るかを考えてきた株式会社NEXTスタッフサービス。派遣スタッフのメンタル面を把握することが会社の強みになっているようです。
差別化するためのビジネスモデルを確立
私が起業しようと思った理由は、世間が抱く人材業界の常識を変えたいという想いがあったからです。派遣業界においては、派遣元は“職業のあっ旋業者”というイメージが一般的。派遣先から見ると、派遣業界で働く社員とあっ旋された事業者という概念を持たれていることが多くあります。しかし、私はこういったイメージを払拭し、派遣先であるお客様の希望に即したプロ集団を派遣する会社というイメージに変えたいと思っています。そのためには、お客様の要望を聞き、派遣先で活躍する人材をマネジメントする能力が必要になります。前職で営業マンとして働いていた時は、どんな商材であれ、自分の能力を上げて結果を出すことに注力していましたが、現在は経験の有無に関わらず、誰でも成果を上げることができるサービスを作ろうという考えにシフト。社員全員の仕事の質を一定の水準まで引き上げ、戦力として最前線に立てる環境を作りました。実際、スキルの高い人だけが実績を出しても、会社全体の成長にはつながりません。社員全員が一定の実績を出すことで、全てのお客様の満足度が向上します。結果として、派遣スタッフはもちろん、会社の成長にもつながっています。たとえ入社3カ月目の社員であっても高い生産性を生み出すことができるビジネスモデルをようやく完成させることが出来ました。
私は経営者としてより一層の成長を促進するため、常に社員の想像を上回るものを生み出していかなければなりません。プレッシャーではありますが、好機と捉えて、多くのことにチャレンジし続けています。


派遣スタッフとして働いた経験があるからこその視点で経営をしている森代表取締役。社員や会社、派遣スタッフの成長を考慮した仕組みづくりを追求しています。
重要ポストに新卒を起用し、会社の未来を共に築く
勤務形態として、社員は一般的な遠隔型派遣ではなく、常駐型を採用しています。もちろん、新卒社員にも同じように現場で、派遣スタッフを管理する業務にあたってもらいます。社員がそれぞれの派遣先で勤務するため、必然的にマネジャーなど社員を取りまとめる人材を確保しなくてはなりません。また、これからはコールベンダーとなる人材を育てていく必要もあります。2022年には五反田に新たな拠点の完成が予定されているため、統括する人材など、多くの場面でさらなる雇用が求められます。ほかにも、アライアンス契約やパートナーとなる会社と連携を取り、これまで1社だけでは解決が難しかった課題への取り組みもスタートします。そこでも、両社をつなぐ存在が必要です。私はこれらの重要ポストに新卒を起用したいと考えています。新卒3年目がグループをまとめる役員や取締役など、勤務年数に限らず活躍出来る場所を作ることで、会社を担っていく人材が育っていきます。派遣元の価値を上げていくためには、新卒社員こそがカギを握っているのではないかと非常に期待しています。
当社では、派遣スタッフを管理することが業務の柱となるため、中間管理職のようなポジションからキャリアがスタートします。学生時代にイベントの実行委員などを務め、人をまとめてきた経験があったとしても、ビジネスでは通じないことも多くあります。そのため、壁にぶつかることもあると思いますが、一つの形になった時に自分の存在意義を感じることができる仕事です。共に業界を変えていきたいという想いがある人と出会える日を楽しみにしています。


22卒は50人、23卒は200人採用を目指すという言葉に驚かされました。これからの会社を担っていくのは新卒だという強い想いを感じました。