メンバーの幸せを第一に考え、感謝の気持ちを持った人間を育てる
株式会社プレシャスパートナーズ代表取締役社長 CEO 髙﨑 誠司
一人ひとりに適した目標設定で正当な評価を実現
当社はリーマンショックが起きた2008年に5人で設立し、メンバー一丸となり、現在ではおよそ100人ほどの会社へと成長を遂げてきました。メンバー一人ひとりが力を発揮し、スピード感を持って会社を経営してきましたが、成果だけでなく、個人が考えて行動した部分も注視して総合的に評価するため、2021年4月に大幅な人事評価制度の改定に踏み切りました。
この決断は決して簡単なものではありませんでした。昔からともに力を合わせて頑張ってきた仲間を大切にした結果、年功序列のような評価体制になってしまい、企業の成長に陰りが見え始めていました。人事評価を改定することで結果だけでなく過程や現時点でのスキルなども評価ポイントとなりました。改善された点がある一方で、現状のポジションのままではいられないメンバーが出てしまう状況が発生。苦渋の決断ではありましたが、会社として成長していくためには組織の在り方を見直す必要があると思い、新たな評価制度の導入を決意しました。以前はキャリアアップの方法として、一般職の次はメンバーをまとめるマネジメント職の道しかありませんでしたが、現在はスキルを生かして第一線で走り続けるエキスパート職とメンバーを統括するゼネラル職の2つの道を設け、一人ひとりが自分のキャリアパスを選択して成長していける環境を整備。今回の改定によって、自分の行動が成果につながり、評価されるという体制ができたと自負しています。
私はベンチャー企業であるからにはベンチャーマインドを持ち続けた企業であることが大切だと考え、常に何事にも挑戦していく姿勢で仕事をしていくことを念頭に置いて会社経営をしています。評価制度改定に伴い、去っていったメンバーがいた事実もありますが、現状維持は衰退という考えを私は強く持っています。現状に満足することなく、会社が前に進むための一つが今回の人事評価制度です。貪欲に結果を求め、行動に見合った評価をもらうことができ、自己成長につながる仕組みを作り上げることこそが、当社の未来を作っていくと信じています。


何よりもメンバーの幸せを第一に考える髙﨑社長。「現状維持は衰退」という言葉が非常に印象的で、常に前を向き、ひた走っていくという思いに感銘を受けました。
笑顔が生まれ、感謝の気持ちを忘れないカルチャーづくり
2019年頃から新型コロナウイルスが蔓延し、「ここでずっと働けるだろうか」といった不安を抱くメンバーが多くいました。そこで、全員の不安を解消するため、既存の成長率で伸びていくのではなく、よりスピード感を持って会社を成長させていかなければならないと思うようになり、社員が不安に押しつぶされず、自然と笑顔になれる環境を作ることが経営者の役目だと感じました。一人ひとりが目標を確実に達成し、お客様をはじめ、関わっているすべての人が満足し、笑顔になった時にメンバーも会社も成長します。この度導入した評価制度では、メンバーが会社のため、自分のため、お客様のために仕事をすることで、報酬やキャリアアップにつながります。コロナ禍となったことで、改めてメンバーのことを考え、会社があるべき姿について考えることができ、その結果が評価制度の改定となりました。制度導入後、メンバーの仕事への向き合い方が受動的ではなく、自発的に考えて行動するものとなり、さらには自分に与えられた目標をクリアすることがゴールではなく、「自分はもっとできる」という思いを持てる環境となりました。その結果、一人ひとりが目標に対し100%達成することは当たり前だという認識に変わり、さらにその上の結果を出してこそ意味があるという考えを持てるようになり、会社も成長を続けています。
これまで私たち経営陣は、常に新しいことをやっていきたいという思いが先行してしまいがちだった一方で、現場のメンバーは目の前の目標を達成することに必死で、クリアできないと苦渋をなめるという状態でした。しかし、現在は目標達成するために求められるものが明確になったため、目標達成しやすい環境が出来上がりました。目標を達成することが現実的になったからこそ、次に超えるべきハードルに向かって挑戦できるようにもなりました。その結果、メンバー全員が目標達成のためにより一丸となり、当社がカルチャーとして大切にしている「ありがとう」や「おめでとう」といった感謝や称賛の気持ちを周りのメンバーに対して伝えられる、“プレシャスらしさ”を体現することが出来ました。


感謝の気持ちを大切にしている株式会社プレシャスパートナーズ。相手を思いやる気持ちを持つことが会社の成長につながっています。
これから必要なことは「経営者としてのスピーディーな成長」
先に述べたように、人事評価制度を変えたことで仕事の向き合い方が変わり、個人に与えられた目標達成のための道筋をメンバーそれぞれが考えるようになりました。どのように目標達成につながったのかなどの情報共有している姿を社内では良く見るようになり、同じプロセスで達成するメンバーも出てきました。特に新卒メンバーはわからないことも多く、苦しくなる瞬間もあると思いますが、情報を共有することでお互いを称賛し合うことにつながり、それぞれのフィールドで戦えているのではないかと思っています。同期同士の横のつながり、先輩や上司といった縦のつながりが密になり、自分一人の力で目標を達成したのではなく、さまざまな人に支えられたからこそ達成できたという認識が芽生え、感謝の気持ちが生まれます。全員が全員のために行動したことで、成果が生まれて、メンバーがワンチームとなり、“感謝の輪”が出来上がっていると感じています。
従業員満足度をさらに向上するためには、正当な評価と報酬、やりがいの3つがポイントだと考えています。そこで次に私がやるべきことは経営者としての成長です。新しい事業展開や組織づくりをはじめ、メンバーの成長よりもさらに早いスピードで成長していく必要があると思っています。具体的にはより良いサービスや未来を見据えたサービス、そして何よりもお客様や社会に貢献できるサービスを作る先駆者となっていかなければなりません。お客様や社会に必要とされ、感謝されるものを提供できた先にあるものが、仕事のやりがいにつながり、適切な評価をして報酬として還元されることが、従業員満足度の向上につながっていくと考えています。仕事に終わりはありません。ショートゴールであるハードルを着実に飛び越え、常に3年、5年先を見据えながら、経営者としての役割を果たし、感謝の輪を大きくして、社会に影響を与えることができる会社としてこれからも走り続けていきます。


「感謝の輪」というワードが印象的でした。言葉の一つひとつにカルチャーである感謝を大切にしながら、ワンチームで進み続けるという意思の強さを感じました。