当社らしさを確立した“DNA”と、公正な評価制度─目指すは更なる「働きがい」の向上
株式会社プレシャスパートナーズ代表取締役社長 CEO 髙﨑 誠司
プレシャスパートナーズらしさを可視化した「10ヶ条」
当社ではしばしば、「プレシャスパートナーズらしさとは何か」というワードがあがります。人に嘘をつかない、ミスを誤魔化さない、仕事には全力で向き合う、どんなときも笑顔で頑張る…他にもいろいろありますが、これらは当社で大切にすべきこととして、常にメンバーの中で共有され続けてきました。
しかし”共有”とは言えど、あくまでも抽象的な心掛けを互いに呼びかけるに過ぎず、社員数が増えれば増えるほど「プレシャスパートナーズらしさ」の認識にズレが生じるように。
そこで制定したのが「プレシャスDNA10ヶ条」です。これまで継承されてきたこと+これが実現できたら一層人間としての魅力が上がるであろう事柄を明文化し、当社のメンバーとして順守してほしいという想いを込めて創案しました。
これまで概念的だった「当社らしさ」が具体的な行動指針として明示されたことにより、当社の目指すべき人物像が明確化されたことは大きな収穫です。今は社内で自然とプレシャスDNAにまつわる会話が交わされている。すなわちメンバー各々が、当社社員としての理想像をはっきりと意識できている証拠なのではないかと思うのです。
実はこの10ヶ条、蓋を開けてみると至極当然のことしか掲げていません。しかしこれら全てを体現することで、個々の“人間力”そのものが上がると考えています。私たちのビジネスは無形商材を取り扱う仕事。従ってお客様の気持ちを汲み取り、お客様が相談しやすい環境を創り出す力が求められます。人間力を高める礎となるこの10ヶ条を制定したことで社員の意識が変わり、一定の成果が得られたのではないかと思います。


10ヶ条を日頃から意識するために、多くのメンバーがプレシャスDNAを社用スマートフォンの待ち受け画像に設定し、常に目に入るようにしているそうです。
DNA浸透の鍵は「体現し続けること」
10ヶ条の中でも、特にメンバーに大切にしてほしい項目は第5条に掲げている「相手のことを思いやった発言・行動をする」という内容です。どんな仕事も決して一人だけでは成り立たず、共に働く相手がいてこそ成立するもの。「かけがえのないパートナーであり続けること」を企業理念としている当社だからこそ、常に相手を思いやる気持ちを忘れないでほしいと思っています。
また、「仕事には常にベストを尽くす」という第9条も特に意識してほしい条項の一つです。これも当たり前のことだと思われるかもしれませんが、「常に」という言葉が肝。その場その場で頑張ることはできても、それを継続することはとても大変です。継続性を維持するためには、個人の本質が変わらなければ難しいでしょう。
だからこそ、会社内だけの話ではなく公私ともにこの10ヶ条を体現することで、より自分自身の中に落とし込んでほしいと思っています。「かけがえのないパートナーであり続ける」を理念に掲げている当社だからこそ、この二つの項目は特に大事にすべき内容なのです。
今後も時代の変化に応じて新規事業や部署の独立化を進めていくつもりです。現に、2020年10月には企業のDX化支援に特化した子会社を創設しました。ゆくゆくは現在の中間管理職や事業責任者に組織を任せる機会が増えるでしょう。仮にその組織が当社から独立していったとしても、根幹となる企業理念とプレシャスDNAを強く胸に刻み、経営視点を持って貫き通してほしいと思っています。


「笑顔と感謝」をスローガンに掲げているプレシャスパートナーズ。プレシャスDNAの第2条では「感謝の気持ちは言葉にして伝える」という内容を掲げており、髙﨑社長自身、私生活においても周りへの感謝を大切にされています。
チームから個へ。一人ひとりの成果にフォーカスした評価制度を確立
続々と新たな事業を展開してきた当社ですが、一方で人事評価制度の整備が後手に回っていることが課題です。創業当初は求人広告の代理店事業からはじまり、全社員で同じミッションのもと会社を拡大することを目指してきました。しかし今や採用の枠を超えた自社サービスや中小企業の支援にまで注力しているため、事業ごとにミッションも細分化されています。よって、従来の一律だった評価制度を見直す必要性が浮上し、既に改善に向けて着手しています。
今後の評価制度は、良い意味での「結果主義」にシフトをしていこうと考えています。これまでの評価軸は先述の通り、一律のミッションのもと全員の底上げを図る方向性をとっていました。しかしこれからは、成果を上げているメンバーとそうでないメンバーそれぞれに結果相応の評価を与えることで、本当の意味での公正公平の姿勢をとっていきたいのです。恐らく、創業14期目を迎える当社が伸び悩んでいる理由はここなのではないかと思います。結果よりマインドを重視してきた結果、明瞭な評価軸が定まっていない点ですね。
もちろん、結果の出ないメンバーを切り捨てるということではありません。そういった人間をどのように引き上げていくかを考えることがベンチャー企業としての務めだと思います。ですので、評価制度を再構築すると同時にメンバーの育成強化を図ることも企業の義務として考えています。結果相応の評価を下すということは厳しいように聞こえるかもしれません。しかし、評価できる人間を育てるためにメンバーを鼓舞し、マネジメント強化のために上司が尽力し、本人が努力した結果を会社から評価として還元できるということは、ベンチャー企業ならではの一つの魅力だとも言えるのではないでしょうか。
そして、メンバーのモチベーションにもつながる「働きがい」を高めるために大切なのは、職場環境よりもビジネスモデルだと思います。世の中にはない新しいものを生み出し、社会から評価されるビジネスモデルを展開していく。その努力が功を奏した瞬間に、大きなやりがいを感じてもらえると思います。当社の場合は「誰かの助けになりたい」という思いやりの強いメンバーが多いからこそ、お客様に寄り添ったビジネスモデルに楽しさを感じてもらえるはずです。やりがいのある仕事を作るためには経営者が様々な事象に挑戦し続けなくてはなりません。今後もメンバーと力を合わせ、ビジョン実現に向けて奔走し続けます。


これまでは営業職としてキャリアアップを図るにはマネジメント能力が必須とされていましたが、新たな評価軸の中でエキスパート職のようなマネジメント職以外のキャリアパスを導入予定。個人の役割と役職を明確化し、それに沿った評価をしていく必要があると語る髙﨑社長。