45年の歴史を大切にしながら、新体制における変化を楽しめる職場環境へ
株式会社ツナグ・マッチングサクセス社長執行役員 白井 清次
会社の状況や状態を共有することで、全員が安心して働ける環境を作る
当社は働く個人と企業は必ずしも主従関係ではなく対等であるべきだという考えのもと、アルバイト・パートを主としているメディアを取り扱い、そのような働き方を望む人と、人材を必要とする企業の架け橋を担っています。その考えは社内に目を向けても同様で、メンバーへの向き合い方は対等であるべきだと考え、メンバー内での情報の格差をなくすことを大切にしています。もちろん、中には開示できない情報もありますが、戦略や方針、その進捗から営業販売状況に至るまで、雇用形態や入社年度を問わず、全メンバーに情報を伝えているのが特徴です。他にも、四半期毎の全社キックオフミーティングやサービス毎の経営会議での決定内容はもちろん、議論の背景や意思決定のプロセスまでを共有しています。
このように情報を開示、共有し格差をなくすことが、相手を信じ、自分は信じられているという、会社とメンバー双方が信頼し合う関係作りの第一歩になると考えています。皆がそれを理解した上で、会社の置かれている状況や今後のあるべき姿、目指すべく方向性を”我が事”として捉え、主体性を持って業務に取り組んでほしいと思っています。この風土を作ることこそが、皆が「今日も頑張ろう」「働きたい、働きに行こう!」と思える環境づくりにつながっているのではないでしょうか。
しかし、その関係性も未熟だと、共有された情報が面倒なお知らせに感じてしまうこともあります。関係性の構築で重要なのは、“「他人の役に立った」という喜びを感じ、自信を持ってもらうこと” と、それを導き促すプロセスです。自分の取り組み、工夫、成果がお客様や利用者、一緒に働く仲間から必要とされているのか、という不安な気持ちは誰にもあるでしょう。そういった心の距離を生まないためにも、褒めて認めることで自己有用感を高める必要があると思っています。相手から見て、自分の行動が周囲に役立ち、貢献していると認識できた時にこの感覚を感じることができます。特に、管理職やベテラン社員は、いかに若手をはじめ経験の浅いメンバーに自己有用感を感じさせられるかどうかが重要です。上司はメンバーの関係と、メンバーがお客様からの期待に応えられるように支援する――これらを通じて人は成長できると考えています。リモートワークをはじめ、ニューノーマルな働き方が求められる今後においても、特に重要視しなくてはならない部分です。


職場環境づくりの一環として、オフィスのレイアウトにもこだわっているツナグ・マッチングサクセス。フリーアクセスの執務室をベースに、四方を囲まれた独り集中ブース、すぐにブレストや打ち合わせが始められるフリースペースを設け、全ての応接と会議室にはホワイトボードとモニターを設置しています。
“温故知新”を合言葉に、日々変化し続ける
当社は2019年より株式会社ツナググループ・ホールディングスへグループ参画し、2021年には社名変更、関連会社を分割吸収するなど新たな歩みを始めました。その中で、当社のメンバーはグループで取り組んでいる三つのタスクフォースに積極的に参加しています。一つは、ビジョンの策定。グループとしての次世代の成長戦略を描き、その先にあるマーケットへの提供価値を定義・可視化していきます。二つ目は、業務のDX化。業務の飛躍的な生産性を高め、成長を支える仕組みの導入を図ります。三つ目は新たな働き方の実施です。複数の会社が集まりホールディングス化した中で、各社制度を踏襲しつつも新たな人事ポリシーを見直し、制度化を進めていこうと思っています。経営方針の舵取りは私たちが行いますが、最終的に会社の将来を担うのは一緒に働くメンバーです。その仲間がタスクフォースに入り、新たな価値を創出してほしいと考えています。その一方で、これまでの旧ユメックス株式会社創業来の歴史と経験は今後も踏襲していきます。
「この街のパートナーとして、この街で暮らす人と、この街のお店・企業をつなぐ架け橋として、就転職と採用の成功を通して、地域を活性化させます。」という考えのもと、エリア担当制でクライアントに伴走していくという考えは今後も大切にしていく価値観の一つです。これは社名にある“マッチングサクセス”にも紐づく内容であります。新たな事業展開にも舵を切り、現在は “メディア” と “イベント” などのサービスから取り組んでいます。今後も意欲的な領域拡大をしていく予定です。


ツナグ・マッチングサクセスとしての拡大成長に、ホールディングスをはじめグループ各社を巻き込んでいきたいと語る白井社長執行役員。メンバーがそれぞれのタスクフォースに入る事でさらなる高みを目指して行きます。
理想と現実を追い求め、学び続ける姿勢が大事
45年間の歴史を踏襲しつつ新たな価値観を取り入れていく当社ですが、それゆえの固定観念、既成概念に捉われて動きが鈍る場合も見受けられます。以前には、“ミドルシニアはデジタルメディアに疎いはず” とか、”主婦(夫)は現業ブルー職を避けるはず”とか、過去の経験から決めつけ、それ以上の世の中の移り変わりを見落としていたこともありました。まずは現実のマーケットと向き合い、理想へと向けて変化・進化し続ける事が課題です。また、これまでの折り込みチラシは効果測定が曖昧でしたが、ネットメディアでは効果が明確に表れます。今後は提案内容に併せ営業手法を変化させると同時に、日々のマネジメントについても進化させていく予定です。現在、それぞれの街にエリア担当を設けている当社ですが、街ごとに求められているニーズへ今まで以上に応えられるよう、さらに担当を細分化し、個の主体性を発揮させようと企てています。
時代のニーズと組織の変化が著しいからこそ、メンバー自身も、日々変わり続けなくてはなりません。当社は、ユメックス株式会社から数え45期目、株式会社インディバルから数え16期目に入ります。その歴史から学びながら、環境に適応し変化すると同時に、その歴史への敬意として“感謝と恩返し”を大切にしながら、事業を拡大することが求められます。その変化に順応できるよう、メンバーには「理想と現実」というメッセージを呼びかけるようにしています。具体的には、理想を追いかけて夢を語る日もあれば、足元の業績を作るためにどうすべきかを考える日を作るなど、双方のバランスを取る事が重要です。2021年のコロナ禍はあらゆる事象をもたらしました。変化をテーマにしている当社だからこそ、その事実をポジティブに捉え、従来からの様々な慣性をリセットし、好転の機会として攻めに転じていきます。
仕事は99%が辛くしんどいもので、残りの1%でこの仕事をしていてよかったと思えるものです。この経験の積み重ねで成長できる楽しさを実感していただき、理想と現実の行き来を楽しんでほしいと思っています。周囲の期待に応えるためにも、日々柔軟に変化を楽しめる方とご一緒出来る事を楽しみにしています。


「お客様の変化に寄り添い続けるためにも、サービスを提供する私たちも変化し続けなければいけない」と語る白井社長執行役員。ツナグ・マッチングサクセスではどのような局面においても、“変わること”を重要視されています。