働きやすい環境づくりに必要なのは、企業理念への共感
株式会社ヒューマンシステム代表取締役 湯野川 恵美
企業理念への共感を重視すれば、社員が働きやすくなる
社員にとって働きやすい環境づくりのために重要なのは、多様性を受け入れながらも、基本的な方向性や考え方が同じ人を集める事だと思っています。働く職場がどのような所か、どのような取り組みをしているかも大事ですが、企業の目指すビジョンや方向性が異なることが、一番離職に繋がりやすいと考えているからです。当社では昨年、企業理念を一新し「人を助け、人の力を最大化するシステムとサービスを提供する」を掲げました。その企業理念に基づいてシステムを提供するために必要なのが、社是にもある「技術」「おもいやり」「豊かな人間性」です。当社は、多様な人材を受け入れる会社ではありますが、こういった会社のベースとなる考えに賛同している人という条件で採用を行い、生き生きと働ける環境づくりに努めています。
これまでは「お客様の満足と社員の幸せを両立しパートナーと共に持続的な成長を続ける」という理念を掲げていましたが、お客様の満足度と社員の幸せは、企業が成し遂げなくてはならない当たり前の義務です。その義務を果たすためには、会社の成長と拡大が欠かせません。社員の幸せのための環境づくりには企業は持続的な成長を続けなければなりませんし、そのための企業文化が必要であると考えています。
企業理念を変化させたことによって、社員は常にお客様を意識するようになりました。どんなに小さなことでもお客様が満足するためのサービスを提供するには、どんなシステムがよいのか常に考え、満足していただくためのコミュニケーションを持ちます。その積み重ねが浸透し、成果として表れているように感じています。


お客様や社員に向けて企業理念を明確にすることで、全員がストレスなく働けているという株式会社ヒューマンシステム。理念や考え方に賛同している人が大活躍しています。
社員を大切に思う気持ちは当たり前 生き生きと働ける環境づくり
企業理念の浸透が第一ではありますが、次に重要なのは、よりよいサービスを提供するためのスキルや知識を磨く環境です。現在では外部研修を受け放題で、何度も受講することが可能です。そのほかには未来業績手当という、研修やセミナーへの参加や参考書の購入のために3万円まで支給する手当を設けました。実際に、社員はパソコン購入費の足しにしていたり、電子書籍リーダーを購入したりと自身のスキルアップのために活用しています。
社員の幸福を誰よりも願うのは、設立当初の想いが起因しています。30年前、バブル崩壊により多くのIT会社が倒産し、私が勤めていた会社の代表も行方をくらましました。私以外の4人の社員は経験の少なさから転職もままならない状況。転職活動の結果私だけ、中途採用の内定を頂いていましたが、彼らのために仕事を受注して友達の会社で受けることができないかと思いたちました。時代はバブル崩壊のバタバタで、思うようには進みませんでしたが、「君が社長なら仕事を出そう」と言ってくださったお客様がありました。
社員の仕事と人生に責任を持つために、当時最年長だった私が社長となり、在籍していた社員とともに会社を作ることを決意したのです。社員がいなければ今の私はいないですし、その社員に対する思いを30年間大切にしてきました。
今や100名規模となった当社ですが、プロジェクト型の組織なので、組織のヒエラルキーはなく、プロジェクトリーダーも執行役員もとってもフレンドリー。社員全員が私の事を「湯野川さん」と呼ぶほど、私と社員同士の距離も近く、家族同様のコミュニティが形成されています。


「常にお客様の先を意識する社員が多いです」と語る湯野川社長。社員には常に、お客様の満足度や、お客様を助けたいという気持ちを大切にしてほしいと考えられています。
社員の強みを生かせる環境を作り、活躍できる存在に育てる
お客様と社員への思いやりを大切にしている当社ですが、今後は評価基準を管理職以外の社員にも開示し、フィードバックしていこうと考えています。現在では10項目の評価基準をもとに等級ごとに合格点を設け、それに加えて実績や売り上げを合わせて評価を算出しています。この基準をオープンにすることで、全社員が自身の等級を意識し、要求されている仕事のレベルを共有することができます。そうすることで、評価のポイントを理解し実践することで、さらなるスキルアップや意欲の向上につなげられると考えています。また、最近ではプロジェクトの進め方も変化してきているので、社内でのプロジェクト管理ノウハウをもとに、新たな管理方法を教育し実践していく予定です。
そんな当社は一つの事に夢中になれる、いわゆるオタク気質な社員が多い環境です。彼らは自分の物差しや歩調で進む傾向があります。仕事終わりにスキルアップのための勉強に注力する社員や、仕事以外でも絵で県入賞を果たす社員など、優れた能力を持っている人が多いのです。だからこそ、そういう社員からの優れたアイデアや企画、改善提案が提出され、気分も上がります。そういう活力に満ちた瞬間を共有すること、彼らの強みを生かせるフィールドを作る事が私の役目であると考えています。
仕事をするにあたって大切なのは、自分の仕事が誰かの役に立つということを実感できることです。必要とされるための技術を磨こうとしている方や、思いやりがある方、人としての在り方を考えたい方、そして持続的な幸福を目指す方は当社に向いているはずです。企業理念に共感し、同じ思いを抱いて「人を助け、人の力を最大化するシステムとサービス」を提供していきたいとお考えの方と、ご一緒できる事を心から楽しみにしています。


「ヒューマンシステムをしっかり調べてやる気になってくれる人を見ると、当社で活躍してほしいと思います」とは湯野川社長からのメッセージです。選ぶのではなく、学生に選ばれているというスタンスで選考をされています。