変化を恐れず、最大限の力を発揮できる環境を作る
INEST株式会社代表取締役社長 執行 健太郎
個に寄り添い、多様な価値観を与えて成長を促す
当社は世界一若い力を信じる会社として、若手が活躍できる環境作りに力を入れています。例えば、年に二回の半期面談。これは、各社員が自分の直属の上司とではなく、二階層上の上司と行う面談です。例えば、一般社員であれば課長と行い、係長であれば役員と行います。直属の上司とは普段からやりとりする機会が多くありますが、階層を飛び越えた上司との面談は、仕組み化していなければ実施する機会が少ないでしょう。この面談では、会社が発信している情報に対し、社員の認識に相違がないかの確認、もしくはあった場合の修正を目的としています。当社のように400人を超える規模になると、会社の本来の意図とは異なる認識をされてしまい、誤った情報が広まってしまう恐れが出てきます。それを防ぐためにも、日頃会う機会の少ない上司との会話を通して、各社員の考えの吸い上げや状況の把握をすることが大切なのです。
2019年からはピックアップ面談も取り入れました。こちらは三階層上の上司との面談で、各上司が半期面談をした社員に、さらに上の役職との面談が必要であると判断した場合に実施されるものです。もちろんこれはネガティブな意味ではなく、普段関わらない人との会話を通して、前向きな気持ちを維持してほしいという思いを込めています。半期面談やピックアップ面談を実施して以降は、情報の正確性や伝達具合を可視化できるようになりました。
また、面談では話しづらい内容を吸い上げる場所として、社内ポータルサイト上に匿名でメッセージを送れる意見箱を導入しています。「この人事制度はどんな目的がありますか?」「この方の活躍を会社は認めていますか?」など、会社に対する疑問を気軽に寄せられる場です。完全匿名だからこそ、こちらも客観的な目線で捉えることが可能になり、フラットな状態で返信できます。会社全体の風通しを良くするためには、様々な方法を用いることが大切だと私は考えています。


執行社長の入社当初は、情報が可視化されておらず必要な情報を手探りで集めていたそうです。この情報をスムーズに吸収できるようにするために、執行社長自らが動いて仕組み化に尽力しています。
社員の本音を吸い上げ、職場環境の改善に努める
また、職場環境改善のために年に2回、従業員アンケートを行っています。このアンケートは、従業員が何を求めているかを把握し、データとして分析するためのものです。150問程度のアンケートの中には、会社のビジョンの理解度、組織に対する評価、営業の教育がどのくらい行き届いているか、希望の人事制度、さらには周囲でパワハラなどがないかなど、会社の実情を把握するための項目を盛り込んでいます。アンケート結果を確認できるのは人事などのごく一部の社員のみのため、社員から本音を引き出すことができるのです。
このアンケートを通して、課題を改善するためのスピードが向上しました。会社のビジョンの理解度が低ければ、そこを改善するために組織全体で行動します。例えば、半期に一度は全従業員を集めて経営方針発表会を行い、これまでの会社の成長について伝えています。各責任者以上は月に一度、各事業部の上半期の施策や目標、戦略に対する進捗などを共有しています。これらを繰り返し行うことで、組織全体の会社に対する意識や理解度が高まっているのではないかと思います。
また、社員のビジョンに対する理解をより一層深めるためには、仕事のほとんどを現場で過ごす営業社員がコーポレート部門と同じマインドであり続ける必要があります。そこで、まずはコーポレート部門側から会社の思いを浸透させ、その後に各現場の責任者に理解してもらい、彼らがスピーカーとなって発信してもらおうと考えています。来年以降はそのような仕組みを作り、スケジュールを立てています。


実力主義を掲げチャレンジできる環境を整えつつも、全員で会社をよりよくしていこうというアットホームさも兼ね揃えていらっしゃいます。今の時代に求められている会社像を作りたいと意気込まれています。
変化に強ければ、どのフィールドでも活躍できる
企業や事業の拡大に応じて、とある課題も浮き彫りになりました。従業員アンケートで寄せられた全ての意見に、フィードバックが追い付いていない現状があります。今後はFAQを蓄積しながら、情報開示の精査をしていくことで、各社員の階層にあったフィードバックができるような仕組みづくりをしていきます。
また、全従業員が変化を恐れ、現状に満足してしまっているのも事実です。当社は組織を成長させていくために、「変化に強くあれ」をテーマに掲げており、商材や事業の変更や、配置転換などの変化が頻繁に起こる環境です。管理職も一般社員も含め、全員が変化に強くなければ成長スピードは上がりません。まずはその変化に慣れてもらうためにも、新規事業などが発足した場合は積極的に部署異動をさせて、様々な環境にチャレンジできるようにしています。新規事業を5倍、10倍の成長スピードになれば、既存事業に属している社員にも危機感が生まれ、変化が必要だという気づきを得ることができるはずです。
営業職は、学生時代に目標やスキルがなかった方でも、全員が同じスタートラインに立てる職種です。そして、人生において大きく糧になる職種でもあります。例えば、企画の仕事や、技術職を束ねる人間になった際には、必ず社内営業も必要になりますし、営業力はどこでも求められる力なのです。そして、当社であれば内勤営業、外勤営業、WEB営業など様々な営業手法にチャレンジすることが可能です。お客様先も、中小企業から大企業、官庁企業まで幅広く、全マーケットを相手にした仕事をすることができます。当社で幅広いチャレンジをすれば、どこに行っても活躍できる力が身につくはずです。そして手に入れた多くの選択肢の中から、自分にとって最良の選択ができる存在を目指していただけたらと思います。


「夢を持っている人や、夢を探している人と一緒に働きたい」と話す執行社長。社内では、働く動機やモチベーションの原動力が明確な人ほど活躍されているのだそうです。