女性が輝く環境を完備し、社員の生産性をアップさせる
フロンティア株式会社専務取締役 雨宮 慎吾
社員間のコミュニケーションを円滑にする制度が目白押し
当社が大切にしているのが、社員間でしっかりコミュニケーションを取ることです。そこでコミュニケーション手当を月に一回、チームごとに支給しています。社員たちはこの制度を使用してよくご飯会や飲み会を開いています。
ブクロ手当・本町手当というのもあり、これは本社、大阪支社の近くに住むと家賃補助として月2万円支給するというものです。これにより本社の半数以上の社員は会社から徒歩圏内に住んでいて、仕事が終わった後によく一緒にご飯を食べに行っています。
意外かもしれませんが、奨学金補填手当もコミュニケーションの円滑化を目的にしている制度の一つです。奨学金を返済している社員は、毎月引き落とし額と同じ金額の手当をもらえます。「奨学金の返済にお金を回さないといけないから、自分は仕事終わりのご飯会や飲み会に行けない」となると、コミュニケーションの機会を逃してしまうことでしょう。学生時代の状況や家庭環境による差は、弊社で一度リセットしてみんなが横並びでスタートできるのです。
また、社員旅行では、今期海外に行くことができました。全員でシンガポールのマリーナベイサンズに行って、メンバーたちは業績が上がっている実感が沸いたようです。また、12月には毎年恒例、湯河原で忘年会をしています。
ここまでコミュニケーションを大事にしているのは、やはり職場で「隣の人が何考えてるかわからない」という状況が良くないと思うからです。ドライな社風よりは、お互いをしっかり理解し合って切磋琢磨できるような環境を整えています。


コミュニケーションの活性化を重視していますが、一歩間違うと「新しく入社したメンバーが入りにくい」ような空気ができてしまいます。そうした環境にならないよう、意識して配慮されています。
社員が身だしなみを整える一助となる美容手当
さらに当社では、社員が身だしなみを整えるためのサポートを行っています。実際にネイル手当として、提携しているネイリストに無料でネイルの施術を受けられるようにしています。また本社の社員用スペースにセルフホワイトニングを設置しており、自由に使用することができます。さらには美容室やエステ、まつエクの会社とも提携していて、社割価格で利用可能です。
当社は早い段階から、こうした取り組みを始めてきました。例えばネイル手当は創業3年目にスタートし、セルフホワイトニングは2019年の10月から始めるなど、現在に至るまで良いと思ったものはどんどん取り入れています。当社は20代のメンバーが中心なので、ネイル手当で言えば、お客様の前に出るときはシンプルなデザイン、内勤が多いメンバーは派手なものも楽しむなど、部署や役職問わず全員に喜んでもらえています。
これらの手当を導入したのは、当社が営業会社で社外の人と会うことが多いというのが理由です。ビジネスマナーや立ち居振る舞い同様、見た目にも気を付けてもらっています。お客様からどう見られるかを考える一環として、こうした手当を通して自分自身の身だしなみを整える一助になればと思っています。
また、当社代表は女性が多い当社で働いているからこその権利を増やしていきたいという思いを持っています。代表自らが率先してこうした取り組みを進めているのも、こうした手当が充実している要因の一つでしょう。


未経験者を採用することも多いため、業界の勉強や配属前のロールプレイングなど、スキル面での研修も充実。メンタル面とスキル面、どちらもフォローすることで働きやすい環境が実現していました。
シニア人材がいなくても豊富な学びの機会がある
当社の課題は、若い組織なので人生経験豊富なシニア人材がいないことです。その分、さまざまな事を学べる制度を整えています。毎日寺子屋という勉強会を開いて、社員の誰かが講師になって講義をしています。この寺子屋は自由参加で、営業テクや業界情報、ビジネスマナーなどが学べます。営業成績の優れた社員による、いわゆる必殺トークなども紹介しています。社員だけでなく経営陣が会社の歴史を話すこともありますし、月2、3回は社外の方にも登壇いただいています。
シニア人材がいないという課題を抱えながらも、社員のメンタル面のフォローは欠かさずに行っています。新卒社員にはシスター制度というものがあり、歳の近い先輩社員をシスターに認定します。その先輩には仕事の悩みからプライベートなことまで、何でも相談することが可能です。2019年からはさらに、社員との面談をメイン業務とするポジションを作りました。そのポジションに就いたのは、子育て経験があり営業部で主任も務めた女性社員です。社員は自由にその社員にアポを取って色々な相談ができます。また、その社員から他の社員に声をかけて、自分の経験を話すこともあります。この制度はまだ始めたばかりなので、完全な仕組み化は追いついていません。今後しっかりと根付かせたいと思っています。


女性が多い会社ならではの制度は、美容面のフォローだけではありません。シングルマザー手当として、一人でお子さんを育てている社員には3~5万円支給し、会社として子育てを応援されています。