多様な価値観を受け入れ、社員自身が働き方を選ぶ。全てはビジョン実現のために
サムライト株式会社代表取締役 CEO 池戸 聡
社員一人ひとりの価値観やライフスタイルに合わせた働き方を実現
近年、労働者の価値観は変わりつつあります。会社に労働力を提供し、その対価として給料を受け取る、それだけでなく、自分の夢を実現するため、しいては人生を豊かにするために会社に所属するという考え方が当たり前となりつつあります。そのため、当社では旧来の会社と従業員の関係にとらわれず、双方がwin-winとなるようなフラットな環境を整備すること、つまり従業員のWillを大切にすることを組織運営の軸に据えています。
その象徴として、「選択式人事制度」という仕組みを用意しました。従業員一人ひとりの価値観やライフスタイルは異なるので、そんな従業員たちを一つの枠組みに当てはめるのはナンセンスだと考えました。そこで、個人の価値観やライフスタイルに応じて、オフィス勤務とリモート勤務、フルタイム労働と時短労働、週5勤務とダブルワーク社員向けの週4勤務など、自分自身の働き方を自分で選べるようにしています。仕事の性質にもよりますが、場所や時間、働き方に関係なく、パフォーマンスを発揮できる人は発揮できます。
働き方という意味では、他にもユニークな制度がいくつかありますが、「お昼寝制度」もその中の1つです。その名の通りお昼に睡眠をとれるもので、会社にはハンモックもあります。これも、眠いなか無理に仕事を続けるより、少し仮眠した方が仕事の効率が上がるという点から導入しています。大事なのは、成果を出すことですから。


「誰が」言ったかではなく「何を」言ったかに向き合うこと。「社内価値を高める(※出世など)より、市場価値を高める」というメッセージを常日頃、従業員に伝えています。
ビジョンの実現と多様な価値観の共存
私がこういった考えに至ったのは、28歳の時に世界中を旅した経験があるからでしょう。いろんな国に行くうちに、宗教や人種、国が違えば、考え方もライフスタイルも価値観ももちろん違うという当たり前のことに気づきました。異なる人同士の共存、多様性とどう向き合うかは、人類に課されたミッションだと感じました。会社や組織という枠組みの中で、それらを実現するために色々な制度を整えています。
社員の申し出から新しい制度が生まれたこともあります。現在、マーケティング担当の社員が、奄美大島でリゾートワーカーとして働いています。彼は自身の人生について考えた時に移住したいという結論に達して、退職を決めました。優秀な人材だったので、彼のスキルや能力を考えると、奄美大島にいても、十分パフォーマンスを発揮してもらえると判断しました。そこでリゾートワーカーとしてフルリモートで働いてもらうことになりました。それがきっかけで、奄美大島に拠点を設置したのです。
このように、創業当初より、多様な価値観に個別に対応しながら、徐々にそれらを制度として整えていき、今の形があります。
一方、会社としては譲れない価値観、従業員に求める価値観もあります。それは会社が向かうゴール、つまりビジョンへの共感です。当社は、『コンテンツを信じる。メディアを進める。人を彩る。』というビジョンを掲げ、コンテンツマーケティングを軸に、オウンドメディアやソーシャルメディアマーケティングを進化させる、デジタルメディアやマスメディアを前に進める、そして広告主、生活者、社会を彩る成長企業であり続けると謳っています。会社が目指すゴールに向かって一緒に走ることを前提としつつ、その中で多様な価値観の共存を目指したいと考えています。多様な価値観を受け入れる一方、会社が求める共通の価値観もあるわけです。時にそのバランスがうまくとれず、ジレンマや衝突が生まれ、過去には結果的に社員の離職につながるといった失敗もありました。


様々な経験やスキルを獲得し、履歴書に書けることを増やす、それを「履歴書を豊かにする」と呼んでいます。従業員の履歴書を豊かにすることも、また会社の責務であると考えています。
新卒が会社を創る
当社のクレド(行動指針)のひとつとして、チャレンジに成長あり。チャレンジに失敗なし。というものがあります。事業の創造やプロダクトづくりをはじめ、不確実な未来やスピーディーに変わる事業環境には、常に進化とチャレンジが必要です。だからこそサムライトは、挑戦者に最大限の機会+セカンドチャンスを提供するという考え方を持っています。
従って、多くのことにチャレンジできる環境のなかで、壁にぶつかって転びながら学んでいくことを大切にしています。失敗した人を減点するのではなく、チャレンジした人を称賛する社風なのです。
そのため、一般的な企業よりも従業員の成長スピードは圧倒的に早いです。例えば、他社で10年かかってチャレンジする仕事を、当社では2年目でチャレンジすることもあります。入社1年〜2年のメンバーがメディアの編集長に就くこと、事業責任者になることはサムライトでは珍しいことではありません。ただ、自ら考え、自ら仕事を創ることが求められるため、入社した社員の成長スピードが個人に依存するという課題もあります。教育体制は構築している途中の段階なので、そこは今後解消していきたいです。
当社は創業以来、”新卒が会社を創る”というメッセージを掲げ、新卒採用に注力してきました。不確実な未来を予測し事業を手探りで作っていく上では、20年のベテラン選手とスキルや経験が不足する若手のパフォーマンスの逆転現象を目にします。つまり、真っ白で優秀な学生が、新しい産業でベテラン選手を追い越す、新規事業を立ち上げて成功する、そんなエキサイティングなことが起こるわけです。
ただ、それは簡単なことではありません。自ら考えて誰よりも行動し、「自分が会社を変えていきたい。自分がやってやる。」という強い想いを持っている方、最後まで粘り強くやりきれる方が成果を上げるし、そんな人と仕事をしたいと思っています。サムライトは、多様な価値観を受け入れる柔らかさと、成果を上げるためにがむしゃらにやりきるハードさ、それぞれの顔を合わせ持ち、従業員が活き活きと働ける環境づくりを目指します。そんな環境で、日本のメディア業界、コンテンツマーケティング領域を盛り上げていきたいという気概の方と、一緒に会社を創っていきたいです!


「決められた仕事をこなすだけの人ではなく、自ら仕事を創造する人材になることを求めている。それが成長につながる。」と池戸社長は語ります。