多くの人が安心して働ける環境へ
株式会社SAKURUG代表取締役 遠藤 洋之
地方学生が活躍するチャンスをつくりたい
当社では新しく就活生に対する就活支援金という制度を導入しました。ひとりの就活生が就活にかける費用は平均16万円といわれているなか、特に地方の学生は都心の企業の説明会や面接を受けるために多大な費用がかかります。私はこれまで採用活動の一環で様々な地方を訪れ、多くの優秀な学生と出会いました。実際に地方の学生が当社に入社してくれた実績もあります。
しかし、これだけインターネットが普及した時代でも東京と地方とでは格差があります。東京の企業に就職したい、こういう夢を成し遂げたいという目標を持っているのに、就活費用が足りずに希望が潰えてしまうのは非常に残念なことです。この就活支援金制度は、当社に入社してくれる学生限定のものではありません。もちろん、当社に魅力を感じて入社してくれれば嬉しいですが、第一の目的は学生の方々にひとつのチャンスとして使ってもらうことです。
日本には限界集落がいくつもあります。私の経営者の先輩のなかには、そういった地方を活性化させる取り組みを行なっている人がいます。当社にも地方創生に挑戦したいというメンバーがおり、これから先、“地方”というのがキーワードになってくるでしょう。


SAKURUGでは定期的に学生とのランチ会を開催しています。カジュアルな雰囲気のなか既存の社員や遠藤社長と直接対話できる貴重な機会でもあり、これまでにも多くの学生が参加しています。
安心して挑戦できるために必要なこと
いい会社にするためには、安心と挑戦をセットにして考えなければいけません。挑戦意欲の高い社員がいても、その足元を支える会社の環境が悪ければ安心して挑戦することができないでしょう。この環境というのは会社の業績はもちろん、社員の生活もそのひとつです。
当社では新卒の初任給を上げ続けており、現在は27万円に設定しています。ゆくゆくは初任給を30万円にすることが私の夢です。これを実現するためには、既存社員のベースアップも必要不可欠です。仕事にやりがいを感じていても、収入面が不安定だと安心して働くことができません。安心して挑戦できる環境をつくるためには、社員の収入をアップさせることも重要だと考えています。
初任給アップの他に、新しく奨学金返済支援制度も導入しました。現在、多くの学生が奨学金制度を利用して進学をしています。しかし、大学や大学院卒業後は当然ながら奨学金はきちんと返済しなければいけません。この奨学金の返済が新社会人たちの大きな負担になっているのが現状です。返済への不安というのも安心して挑戦できる環境を脅かすひとつの要因になってしまいます。そこで、少しでもその不安を払拭するために奨学金返済支援制度を導入することに決めました。


「採用の最前線を走っている企業よりも劣っています」と話す遠藤社長。人材採用や働きやすい環境づくりに注力されており、時代の変化やニーズに合わせて進化していきます。
新しい人生に合わせた働き方を
設立した当初は多くの社員が独身で、結婚や出産、子育てについてあまり深く考えていませんでした。それから年月が経ち、設立当初から活躍してくれている社員も少しずつ自分の家庭を持ち、子供を育てる人が増えてきました。これからは仕事と家庭を両立できる環境を会社が率先してつくっていくことが重要だと考えています。
実際に時短勤務やリモートワークなどを導入し、ママになった女性も働きやすいような取り組みを行なっています。ママさんには優秀な人材が多く、業務も非常に丁寧で質が高いです。時間や環境の制限はありますが、その壁さえなくせばいくらでも活躍できます。
私の知り合いに外資系のコンサルティング会社に勤めていた女性がいました。英語も堪能で非常に優秀な人材です。しかし、時短勤務のできる求人が少なく、条件に合うのはスーパーのレジ打ちや品出しのパートだと言っていました。パートで働くのもひとつの選択肢ではありますが、彼女のこれまでのキャリアや語学力を活かすのは難しいでしょう。
当社の女性社員にも優秀な人材がたくさんいます。せっかくこれまで仕事を頑張ってきたのですから、これからもスキルを活かせるような働き方を追求していかなければなりません。


多様な人材を採用しようと考えられている遠藤社長。LGBTや外国籍など柔軟な採用活動に積極的です。SAKURUGでは外国籍の社員も増加傾向にあります。