“理想の保育”が理想の働き方を実現する
キッズブレア株式会社代表取締役 大澤 裕介
職員のやりがいが、子どもたちの笑顔をつくる
当社では、「理想の保育」を実践できる環境を整えています。そのため、多くの園で見られるデンマーク式などといった保育・教育方針を設けていません。園長と職員が、子どもたちの発育のために必要な保育内容を考え、発案した保育を反映できるのです。実際に、当社が運営している7つの保育園は、それぞれが異なる特色の保育をしています。
このような仕組みを取り入れた理由は、職員にやりがいを感じて働いてもらいたいからです。
職員にやりがいを持ってもらうために必要なことは、五つあると考えています。
まず一つは各個人の意見を反映すること。働く一人ひとりの意見を尊重することにより、どんな立場の職員でも意見を発信しやすい環境にしています。
二つ目は、職員が全員で共有できる目標提示をすること。仲間と一つの目標を持ち続けることで、各職員の方向性を一貫するようにしています。
三つ目はワークライフバランスの充実。家庭を持っている方は家族を大切にしながら、仕事にも集中してもらえるよう残業時間の削減に努めています。
そして四つ目は公正な評価制度を整えること。自分の努力が評価されない環境だと、モチベーションもあがりません。一人ひとりに対ししっかり評価をすることが必要です。
最後に、自己成長。自身のスキルアップや成長の実感がやりがいにつながるのではないかと考えています。
これらの必要な環境を整えることで、職員が楽しみながら働くことができ子どもたちにも職員の優しい気持ちが伝わります。各園の園長から「社長の下で働くことができてよかったです」と言ってもらえることも多くなりました。


「自分の意見を発信することはもちろんだが、一番大切なことは相手の意見を尊重すること」と大澤社長は言う。中途入社の職員が多い当社では各職員が経験を持ち寄り、園をつくりあげています。
大事なことは、考えを反映させる事
ここまで私が職員の「やりがい」を大切にしている理由は私自身の経験にあります。
私は大学を卒業してすぐ、大手の営業会社でサラリーマンをしていました。しかし、入社から3ヶ月半で退職。大きい会社がゆえに当時の私のような新入社員の意見は全く通らず、目の前の与えられた仕事をこなすことだけが求められていました。私自身、働き方に関しても多少なりとも「自由」というものが必要だと感じているため、自分の意見や考えを自由に発信し、反映していく働き方を求めていました。
そして、関連会社である株式会社ブレアを高校時代の先輩と共に創業しました。職員や関わる人には私がサラリーマン時代に感じた想いをさせないように、私の考えを反映した経営を行っています。2013年に立ち上げた当社では本社スタッフの服装、出勤時間は自由にしています。もちろん、与えられた仕事はしっかり責任を持ち取り組むことは大前提です。
自由とやりがいを大切にしている当社だからこそ、各保育園では私自身が把握しきれないほど多くの行事やイベントが行われ、各園の特色が大きく見られる環境になりました。


たまに、差し入れを持ち各保育園に顔を出すこともあるという大澤社長。現場のリアルな状況を聞きながら、経営に生かしています。
公正な評価制度の導入で、従業員満足度を向上
当社は、残業がほとんどなく、プライベートとの両立をしている職員がほとんどです。どうしても延長保育が入ってしまい、勤務時間が通常の8時間から9時間に伸びてしまうときは、別日での勤務時間を8時間から7時間に短縮するようにしています。その他にも、多くの制度を取り入れることで、職員満足度を上げ、保育の質も高めていきます。
なかでも特に注力していきたい部分は、先ほど述べた「公正な評価制度」の整備です。現在は一律の昇給で評価をしているため、入社したばかりの職員と、長く勤務している職員の昇給金額に変わりはありません。この仕組みが続けば、長く働けば働く程、「新入社員と同じ昇給額は・・・」と不満に思われる職員も出てくるはずです。そこで、昇給だけでの評価ではなく、別の観点から評価制度の項目を明確にすることを決定しました。2019年に本社スタッフ、そして2020年には現場の保育士の評価制度実現に向けて、評価項目の作成をしております。
今後は、女性の活躍が必要不可欠な社会になると感じています。現在、保育園で働く保育士の90%は女性です。保育園は女性が社会で活躍できる場でもありますし、女性の社会進出が進んでいるなかで保育園の存在は欠かせないものです。女性が安心して活躍できる社会のために、今後も保育園事業を拡大していこうと思います。


大澤社長自身も保育園にお子様を預ける、保育園の利用者です。利用者の目線に寄り添った保育園の運営を心掛けています。
大澤 裕介 プロフィール
休日は家族と過ごす、優しいパパの一面も見られる。