休日0からのスタート 社員が定着した理由とは
株式会社サンワード代表取締役 菅原 高弘
「家族との時間を大切に」社長自らの経験が制度導入のきっかけ
当社では毎年、社員とその家族全員が参加できる社員旅行を取り入れています。
行き先はここ数年連続で沖縄になっていますが、実は行き先は“自由”。ランダムで選ばれた幹事に決定権を与え、行き先を決めています。普段は現場に出ることの多い社員たちが、この旅行を機に交流を深めてもらえたらと願い、取り入れました。
社員旅行を始めたのは13年前。きっかけは、私自身のつらい過去にあります。もともと、社員にはプライベートの時間を充実させてほしいという想いはありましたが、現実はとても厳しいものでした。建築現場は24時間稼働し続けなければならず、私自身、半年間で1日の休みもなく働き続けた時期もありました。当時は家族との時間をつくることすらままならず、頭を抱えてばかりいましたね。そんな思いを社員にはしてほしくありません。「家族の時間を持ってほしい」という想いを込めて、社員とその家族が参加できる社員旅行を取り入れました。
導入時は私自ら、社員旅行の意図と私の想いを伝えました。そのときの社員の顔は今でも忘れられません。すごく喜んでくれるメンバーが多く、1回目の社員旅行を終えたときには「毎年やろう!」と幹部からのうれしい一言も。
旅行を導入したことにより、社員たちの仕事へのモチベーションに変化が見られました。「旅行のために頑張ろう」という声掛けがあったり、仕事に張り合いがある社員が以前よりも多くなったと感じています。


社員旅行の他にも、湯沢に社員が利用できるマンションを購入したという菅原社長。冬になるとスキーやスノーボードに行く際に利用するメンバーが多いです。
“自主性”が自分の未来をつくる
さらに、当社では「資格取得支援制度」も取り入れています。特に「消防設備士」資格は社員全員に取ってもらっていて、取得すればスキルアップにつながりサービスが向上しますし、たとえ当社を卒業したとしても、その資格を生かして新天地で活躍できるからです。
資格取得支援制度を取り入れたことで、今まで気が付くことができなかった社員たちの積極性を知ることができました。「勉強会をやらせてください」と自主的に会議室に集まるようになっただけでなく、仕事に対しても意欲的に取り組む姿が見られるようになりました。実際に、この制度を使うことで、入社3年目にして消防設備士の甲種1類~甲種3類の3種類の資格を取得した社員もいます。
そんな社員たちの様子をみて、現場からの意見をさらに反映できる会社にしていきたいと思いました。最近までの当社は「サンワードと言えば菅原」というイメージを持たれてしまうことが多かったので、それを払拭し、意欲的な社員が当社の顔となり、働いていけるようにしたいと思っています。社員の想いをくみ取り、さらに多くの意見を聞くことで、一緒に会社を作っていけると信じています。


勉強会には菅原社長が顔を出すことも。がんばっている社員に声をかけるなどして、コミュニケーションを図っているそうです。
もっと、社員が輝ける会社へ
1998年の設立当初は5名だった社員も、現在は40名にまで拡大しました。多くの社員を抱える中で湧き立ってくるのは、より多くのものを社員たちに還元していきたいという想いです。
例えば、現場での勤務の場合、休日が不規則になってしまうことがあります。社員旅行だけでなく、家族との時間をつくってあげたいというのが本音です。建築業界では土日工事が付き物で、土曜、日曜に社員は休暇をとれていない現状があります。代休の取得は会社が動かなければ取得しづらいことも多くあると思います。そこで、土日出勤した社員はしっかりと代休を取れる仕組みを整えていこうと思っています。
さらに、環境が整った暁には、当社独自の見積方法を利用し、よりよいサービスを提供して、工事の質を上げていきたいと思います。当然、サービス向上につながるものが社員の資格取得や休日の取得になると思うので、現場で働く社員のモチベーションを上げるために必要なことを試行錯誤し、社員たちに還元できたらと思います。


「上下関係がある会社にはしたくない」と熱く語る菅原社長。悩みがあれば社長に直接相談に乗ってもらえる環境を整えています。