本当に働きやすい職場は従業員と一緒につくっていくもの
株式会社クリスタル常務取締役 星野 敏史
一緒に働きたい関係性をつくるため、コミュニケーションを強化
仕事を成功に導くためにはチームワークがとても大切です。個人の能力や成長も重要ですが、チームワークがなければ組織として成長し、成功を遂げることは難しいでしょう。
以前は店長とアルバイトで仕事のやり方や考え方に違いが生じ、衝突してしまうことがありました。時にはアルバイト同士の衝突で優秀な人材が辞めていったこともあり、早急に改善しなければなりませんでした。
衝突が起こってしまうのはそれぞれが仕事に対して熱い想いを持っているからです。その意見をきちんと汲み取り、仕事に反映するためにコミュニケーションの強化に努めています。
LINEグループをつくり、仕事に関係ない話でも気軽に連絡をし合うことでちょっとした意見でもすぐに言いやすくなり、小さな悩みもいち早くキャッチできるようになりました。
役員陣も店長の話だけを鵜呑みにするのではなく、実際に店舗へ足を運び、アルバイトスタッフと直接コミュニケーションを取ることで生の声を得るように心がけています。
積極的にコミュニケーションを取ることでポジションに関係なく意見が言いやすい環境が整い、以前よりもスタッフの定着率がアップしました。
今後は働く社員やアルバイトだけではなく、従業員を支える家族に対しても新しい取り組みを行いたいと考えています。従業員たちが仕事を頑張ってくれている後ろには家族や親のサポートがあります。現在はBBQなどの社内イベントに従業員の家族を招いていますが、今後はまた別の角度からも感謝の気持ちを伝えられればと考えています。


「店舗に行くときは私もアルバイトに声をかけています」とおっしゃる星野常務。役職に関係なく現場の声を最優先にされている想いが伝わってきます。
一人ひとりに適した働き方を目指し、定時制度を撤廃
当社では定時制度を廃止しています。本社への出社を義務付けておらず、各店舗へ直接出勤するようにしています。さらに退勤時間も定めていないため、現場の状況に合わせて退勤時間を調節することができます。
飲食事業はお客様の来店状況や仕込みの状況によって勤務時間が大幅に異なります。開店前に仕込みをしなければいけない日は早めに出勤する必要がありますが、閉店後の作業が早めに終われば無理に残っている必要はありません。
時間だけで従業員の働き方を縛るのではなく、状況に応じた働き方ができるような仕組みづくりが大切だと考えています。定時制度を廃止したのは従業員一人ひとりに合わせた働き方を実現するためのひとつの方法です。
他にも定休日や休日を自由に取得することを推奨しています。代表の上坊自身に子どもの参観日や病院の付き添い、家族旅行などに行けなかった経験があるため、クリスタル創建では積極的に休暇を取得するように呼び掛けています。
キャリアプランだけではなく、ライフプランやライフイベントも従業員ごとに異なるため、社内ルールで縛るのではなく、一人ひとりに適した選択肢を選べるようにしています。
このような取り組みを行うことで従業員だけでなく、従業員の家族や子どもたちにとっても働きやすい会社になれればと思っています。私生活も大切にしながら働くことで家庭円満にもつながり、その結果自覚を持った良い仕事ができれば良いサイクルをつくることができるはずです。


従業員にとって働きやすい環境をつくるため、社内制度の整備から現場の雑務までさまざまな仕事に従事されている星野常務。店舗にも足を運び、従業員の希望もヒアリングしています。
社員の働きやすさに合わせて福利厚生や制度をブラッシュアップ
当社は歴史が浅く、社内制度が十分でないところもたくさんあります。既存の福利厚生や勤務時間、評価制度などもブラッシュアップしていく必要があると考えています。
代表の上坊は「企業の力=社員の力」だとし、職場環境は役員たちが机上でつくるのではなく、社員が主導してつくっていくものだと考えています。本当に従業員にとって働きやすい環境を実現するためには、会社は従業員の意見に耳を傾け、その提案に賛同し実現できるように体制を整えていかなければなりません。
今後は社内制度や福利厚生を整備していくことはもちろん、現場だけでなく本社の管理体制を強化し、現場で働く従業員が自分たちの仕事に集中できるような組織体制を確立していきたいと考えています。
総務や経理などのサポートポジション以外にも、従業員の希望や特技に合わせてポジションを新設することで自分が活躍できる場所を見つけやすくなるというメリットもあります。
働いていくなかで「新店舗をプロデュースしたい」「自社ブランドを企画したい」など新しい目標が見えてくることがあります。料理人として入社したらずっとフライパンを振り続けるのではなく、本人の希望に合わせた道を歩めるように会社全体で支援したいと考えています。
このように従業員の働きやすさや将来の希望に合わせて福利厚生や制度をブラッシュアップしていくことで、本当に従業員のためになる会社をつくることができます。


従業員が働きやすい環境を整備するため、日々奮闘している星野常務。今後は教育や研修制度の充実にも着手していきたいと考えているそうです。