社員は唯一無二の仲間 社員と共に目指す会社づくり
有限会社丸友青果代表取締役 森川 正也
ワンマンではなく、社員の意見を尊重したい
当社で働く社員は非常に個性豊かです。自分の意見を持っている人が多く、それゆえに社員同士で意見がぶつかってしまうこともありますが、みんなが会社のことを考えてくれている証拠だと思っています。そして社員全員に言えることは、仕事に対しては非常に真面目で、きちんと責任感を持って働いてくれていることです。
私自身、社員には積極的に自分の意見を発信してほしいと思っています。会社経営は代表ひとりでできるものではありません。「社長の意見が絶対!」という社風の企業もあるようですが、社員の意見に耳を傾けることで発見することもあれば、気づかされることもあります。
当社ではたとえ小さなことでも社員と相談しながら決めるようにしています。私が代表だからといって「ああしろ」「こうしろ」と具体的な指示を出すことはほとんどありません。組織をスムーズに動かすためには代表の私が具体的に指示を出した方がいいのかもしれません。しかし人間ひとりの力には限界があります。社員がいろいろな意見を出してくれれば、それが会社をよくするための大きな力になると思っています。
これから当社に入社される方にも自発的に意見を発信してほしい。社歴が長いから偉い、平社員だから意見を出してはいけないということはまったくありません。会社のことを考え、一生懸命考えてくれたことであればどんな意見だって嬉しいのです。


社員の声に耳を傾けることは不可欠だと語る森川社長。社員の方々に対する信頼の大きさがうかがえました。
誰も代わりにはなれない。社員は大切な仲間
青果市場の仕事は朝4時頃から始まります。最初のうちは朝3時頃に起きるのも大変だと思います。これまで7時、8時に起きていた人がいきなり3時に起きるようにと言われても、体が追い付いていけないこともあります。そのため最初のうちは「きちんと出勤する」ということさえ守ってもらえれば、特別なスキルなどは必要ありません。これまで普通に働いていた人からすれば「それだけ?」と思われるかもしれませんが、生活のリズムを変えるというのは案外大変なものです。
このように通常の仕事とは生活リズムが異なりますから、社員の健康にはとても注意しています。会社で行っている健康診断も以前は移動式のものでした。しかし移動式のものですと、検査できる項目に限りがありますので、きちんと病院で検査してもらうように変えました。
健康診断以外にも毎朝社員の顔色を見るように心がけています。日頃から社員のことを見ていれば、挨拶をする声のトーン、表情、雰囲気などから体調の変化にもいち早く気づいてあげられます。
私は社員を労働力とは考えていません。荷物を運ぶ、ものを売るだけの作業であれば誰にだってできます。しかし会社を大切にし、一緒に頑張ってくれる仲間はその一人ひとりしかいません。誰かが体を壊したら代わりの人を入れればいい、というものではないのです。だからこそ、社員の健康管理を大切にしています。


社員の健康管理にも注力されている森川社長。有限会社丸友青果には、社員の方々が安心して働ける環境が整っています。
足を動かし、目で見て学ぶ。産地視察でスペシャリストを育てる
卸売の仕事は個人商店の集まりのようなものです。自分で商品を探し、それをお客様に販売する。商品を仕入れる際は時期やトレンド、経費などを考え、自分で数字を組み立てていかなければなりません。自由度は高いですが、スキルや知識を身につけるためには自発的に勉強していかなければいけません。
今後、会社を拡大していくためには人材育成が必要不可欠です。特に営業には“柱”として、会社を支える役割があります。商品が売れなければ配送する商品も少なくなりますし、そうすれば配送スタッフの士気も下がってしまうでしょう。
当社では産地視察を大切にしています。市場に運ばれる果物を販売するだけではいつまでも受け身のままになってしまいます。実際に果物をつくっている現場に足を運び、自分が売る商品がどのようにつくられているのかを見ることも大切な勉強のひとつです。
たとえば、奈良県は柿の産地で有名ですが、実は苺の生産にも力を入れているのです。最近まで私も知りませんでした。産地視察をしていた社員から聞いて初めて知ったのです。このように待っているだけでは得られない情報がたくさんあります。
会社としては社員の学びたいという意欲を最大限に尊重し、産地視察などを支援していきたいと考えています。そしてゆくゆくは品目ごとのスペシャリストとして活躍してほしいと願っています。


人材育成面でも揺るがぬ想いをお持ちの森川社長。社員の方々が自発的に成長できる環境づくりを大切になさっています。