人を育てるカギは「充実の教育体制」と「顧客対応の機会」
信和設計株式会社代表取締役 相原 克次
社内コミュニケーションは活発かつ積極的に
我々管理職と社員の距離は近くて、同じ目線でやっていると思います。設計の仕事の相談を一緒にしたり、クライアントとの打ち合わせに同行することもあります。50年という歴史が長い会社ではありますが、風通しはいいのではないでしょうか。
社員には自分の意見を積極的に言ってもらいたいです。どうしても先輩後輩という関係はありますが、わからないことはわからないと聞ける環境ですので、質問をすればみんな親切に教えてくれるでしょう。
今は昔と違って、ディスプレイに向かって黙々と仕事をしているので、動きが見えません。我々の時代はみんな定規を使って図面を一生懸命書いていました。何をやっているのかが一目瞭然なのです。ところが、ディスプレイの中での作業だと、どこまで進んでいるのかがわからない。そのため、適度な時間の間隔を置き、ミーティングをして状況を確認するようにしています。
常に社員同士のコミュニケーションを図ることも大切です。業務上のミスや誤りを防ぐ意味においても欠かせません。もちろん、コミュニケーションが図れる雰囲気づくりにも注力しています。性格は人それぞれですから、コミュニケーションだけではなく、“飲みニケーション”もたまには必要なのかなと思います。
働き方については、やはり残業の問題があります。これからはノー残業デーを設けることも考えています。一時期はみんなでフットサルをやっていたこともあったので、ノー残業デーを導入することで、そのようなイベントを再開するのもいいですね。個人的には社員を含め友人とバンドを結成しているので、バンド活動の時間を増やしたいです。


「社員とのコミュニケーションに気を配っている」と相原社長。定期的なミーティングなどを通じて、社内の情報共有を積極的に行っているようです。
社員の資格取得のために全力でバックアップ
建設コンサルタントとして業界内での評価が高い当社。道路の設計を中心に、橋梁・構造物、河川、基盤整備といった幅広い事業活動を展開しています。これから入社を考えている方には土木の経験がなくても、やる気だけは持ってきてほしいです。はっきり言って、覚えていただく仕事はたくさんあります。私たちの事業は、人々が安全に暮らすために不可欠なものです。なので、しっかりした自信と覚悟がないと、長続きはしません。キャリアはまったく問いません。社会の役に立つ設計を頑張ろうと思ってくれる方々の未来に期待したいと思っています。
人材育成の面では、社員の資格取得を推奨しています。資格を取れば当然、社員の評価は上がるので、みんな勉強に必死です。外部研修への参加も奨励しています。
最近では、CIMという3次元データの取り扱いを覚えるために研修に参加する社員も少なくありません。外部研修やセミナーには、やる気さえあれば、誰でも参加することが可能です。このような環境を通して、社員にはやりがいを持ってもらいたいですね。
資格を取得することをゴールにしてはなりません。資格取得はあくまでもスタートラインに立っただけです。資格を取得した後、どのようにして仕事に活かしていくのかが大切なのです。


資格取得へのプロセスも評価するのが信和設計株式会社の特長。「必死に勉強することで、社内にいい刺激が生まれる」とおっしゃる相原社長は、社員の資格取得を最大限に後押ししています。
顧客対応を通して仕事がしっかりできる社員に
他にも社員教育のひとつとして、顧客対応にはできる限り参加してもらっています。顧客と直接会って打ち合わせをしていると、「何を求めているのか」「それをどうしたらいいのか」「どういったことが問題なのか」ということを自ら考えるようになるからです。先輩社員に指示されてから動く受動的なタイプではなく、能動的な姿勢でいる社員ならば、どのような職場にいても必ずいい仕事をしてくれます。私たちの会社が求めている人物像は、まさにそのようなタイプなのです。
実際に顧客の前に立って、いろいろ提案をするなかで、仕事のやりがいを感じ取ってもらいたいのです。このようにして実践的なやりとりをするなかで、自分自身にマッチした仕事のやり方を覚えていくものなので、どうか途中で投げ出すことなく最後までやり遂げてほしいです。若い社員であっても、キャリアがある中途入社の方であっても、扱いに関しては平等です。必要としているのは仕事に向き合う真摯な姿勢なので、その意味でも、できるだけ顧客と対応するように、私は社員に促しています。
資格を取得するということはより多くの経験を積んだ結果だと思います。頑張って働いてくれている社員には、もちろんいい給料で応えています。それなりの見返りがないといけませんからね。そのためにもきちんとした評価をして、やる気に応えていきたいと思っています。そのような当社の姿勢は、設立以来一貫しています。


「顧客と向き合って仕事の提案をする中で必ず成長する」と育成論を語る相原社長。「成長すれば仕事がより楽しくなる。そのなかで仕事のやりがいを感じてもらいたい」とおっしゃっていました。