一人ひとりの将来設計と向き合い、共に想像する未来
株式会社ティーアール代表取締役 小川 忠雄
一貫性のない事業 その裏にある代表の想い
人材派遣ビジネスは、現場で働くスタッフがいないと成り立ちません。端的に言ってしまえば、人材こそが商材なのです。しかし、その関係を勘違いしてしまう企業がたくさん存在します。例えば、案件が忙しいときにだけ派遣スタッフを呼びつけ、繁忙期の波が落ち着いたら連絡をしない。そしてまた必要なときにだけ連絡をする。
ビジネスですから、そういったドライな関係性も時として必要なのかもしれません。しかし、派遣で働いている方々のなかには、家庭の事情などによって派遣社員としての働き方を選んでいる人もいます。そのような方々にとって安定的に仕事が入らないのは死活問題です。
派遣社員の方々に安心して働いていただくためには、安定的な案件受注はもちろんのこと、一人ひとりの希望や生活に寄り添った制度や取り組みが必要です。
その一環として、当社は人材派遣事業以外にも幅広い事業を行っています。不動産事業や自動車販売事業、翻訳・通訳事業など、一見すると一貫性のないものばかりです。しかし、そのすべては当社の社員や派遣社員の方々を支援するためのものでもあります。
万が一、安定して仕事が入らなくなっても、格安で物件を借りることができれば住む場所に困ることはありませんし、自動車があれば遠方の派遣先でも簡単に行くことができます。また、当社では外国籍のスタッフも多く活躍しているため、翻訳・通訳事業があれば彼らが日本で働くため必要な書類を準備するなど、様々なシーンで手助けできます。。
今後も社員や派遣社員の方々が働きやすい環境づくりをモットーに、事業を展開していきたいと考えています。


とてもユーモアあふれる小川社長。取材の間も終始笑いが絶えず、リラックスできる雰囲気でした。
働きたい想いを、最大限に尊重したい
当社は設立して間もない中小企業です。そのため、働きやすい環境をつくろうと言っても、まだまだできていないことがたくさんあります。常に色々なことを考えてはいますが、経営者がつくったルールを押し付けるだけでは意味がありません。働くスタッフたちが抱く「株式会社ティーアールがこういう会社であってほしい」という要望や思いを汲み取りながらルールをつくっていくことで、本当の意味での働きやすさを追求できるのだと思います。
しかし、働きやすい環境を誰にでも提供できるわけではありません。仕事に後ろ向きであったり、手抜き仕事をしたりするような方々までをすくい上げられるほどの余力はないのです。
もちろん、やり方がわからなければ教えます。上手く将来設計ができないのであればとことん相談にも乗ります。もし、自分のキャリアに合う仕事がないのであれば、適切な仕事を探してきます。決して「働きたい」という思いを無下にすることはしません。
これだけ多種多様な仕事が溢れている世の中で、自分がその仕事を選んだのであれば、それを全うしてほしい。最近はそういった意識が薄れつつありますから、熱意を持って働いてくれる方々にはできることを最大限に提供していきたいと思います。


設立当初から社員や派遣社員にとって働きやすい環境を考えていらっしゃった小川社長。現場で働くスタッフの意見も大切にされています。
この会社で働けてよかった そう思える会社を目指して
「仕事は自分で探して、創り出すものだ」という織田信長の言葉にある通り、仕事は自ら生み出すものです。大企業であれば、組織が固まっているため、完全に縦割り業務になってしまい、既存のルールの中でしか考えることができません。
しかし、当社の場合はまだまだルールが決まっていないからこそ、自分の意見を発信しやすいですし、アイディアも採用されやすくもあります。もし、失敗してしまっても軌道修正しやすいので、色々なことにもチャレンジしやすいです。それが当社の面白さでもあります。
今後も様々な仕組みづくりに着手したいと考えていますが、そのなかで最も大切なことは共に働くスタッフ同士の関係づくりだと思います。我々の仕事は人材を扱うため、必ず雇用者と被雇用者という立場になります。しかし、雇用者だからといって派遣社員の方々に対して横柄な態度を取ってはいけませんし、派遣社員の方々も仕事に責任を持って取り組まなければいけません。自分の立場やミッションを理解することで、お互いを支え合える関係性を築けると思っています。
働く環境と人間関係の両面を充実させることで、よく働き、よく稼ぎ、その利益を当社で働くスタッフたちにしっかりと還元したいです。働きやすい制度をつくるにしても、スタッフの給料を上げるにしても、必ず利益は必要です。その利益の使い方を誤らなければ、もっといい会社になっていけると思うのです。
そして、最終的には「この会社で働けてよかったな」と思っていただけたら嬉しいです。そう思っていただける会社にするためにも、まずはできることからコツコツと取り組んでいきたいと思います。


仕事との向き合い方、考え方について語ってくださった小川社長。仕事内容だけでなく、社会人の基礎部分も親身に教育されています。