おっさんが活躍できる会社づくりが最大のテーマ
株式会社マイト代表取締役 新方 宏明
信頼できる仲間たちと…社名「マイト」の由来
私が起業したきっかけは、前職で給料の未払いが発生したことでした。その後、当時の同僚数人に声をかけて独立し、立ち上げたのが当社です。社名のマイトは、オーストラリア英語で仲間という意味です。信頼できる仲間とともに仕事をしようという思いを込めて名づけました。
2012年の設立以来、誰もがすべての社員を知っている会社をつくることに心がけてきました。たとえ異なる部署であっても、誰がどのような業務に携わっているかを社員全員が理解している状態にしたほうが生産性も上がるはずですし、仲間の顔が見える会社のほうが面白いと思います。
社内の連携を強めるには、コミュニケーションを深める以外にありません。私の場合は社員と一緒にお酒を飲むこと。それだけですね(笑)。私と一対一で食事をしたり、お酒を飲みにいったりしたことのない社員はいません。社員たちも部署を越え、共通の趣味の話で盛り上がったりとコミュニケーションを深めていますし、社内の連携はうまく取れていると自負しています。
社内の連携のほかに、自由度の高さも当社の強みです。営業手法や働き方に関しては、あれやりなさい、これやりなさい、と縛ることはしません。なぜなら、私自身の営業マンとしての経験則では、自由度が高いほうが断然働きやすいからです。もちろん、営業未経験で右も左もわからない新入社員にはみっちりと教え込みますし、営業方法で困ったことがあれば私を相手にロールプレイングをするなど、フォローすることは欠かせません。


同業他社に比べて営業のインセンティブを高めに設定しているとおっしゃる新方社長。その理由も、前職で給料の未払いがあったことが決め手だそうです。
事業拡大は社員の活躍の場を増やすため
当社は通信業界の営業会社としてスタートし、現在では5つの事業を展開しています。事業を展開した最大の理由は、「おっさんが活躍できる会社」をつくりたかったからです。
これから当社では営業職の高齢化が始まり、30代後半から40代の営業マンが増えていきます。現場で働くなか、年齢を重ねていくごとに「営業一本で続けられるだろうか」と不安や悩みを抱える社員も出てくると思います。そのようなミドル世代の社員たちが安心して希望のキャリアを歩み、活躍できる会社になっていくことが当社のテーマです。
そこで当社では、工事事業や不動産事業など取り扱う分野の多角化によって、ミドル世代の活躍する場を設けています。営業マンではなく他の職種に挑戦したい社員がいれば、マイトという会社の中でジョブチェンジできるようになりました。もちろん独立したいという思いが強い社員がいれば、当社のパートナー企業や2次下請け企業というかたちで支援していきたいです。
立ち上げのメンバーは年上しかおらず、当社を設立した当時は私が一番年下でした。時には私がヒートアップしてしまっても、「新方がまた怒っているよ、しょうがないな」と寛大な心で受け止めてくれました。当社がこれまで成長できたのは、そのような年上の社員の力による部分が非常に大きいと思っています。そのようなミドル世代の社員がこれからも活躍でき、なおかつ、やりたい仕事に挑戦できるポジションを用意することが私の役割だと思います。


社員の誕生日にはプレゼントを贈る新方社長。ベルト、靴、資格の学校の授業料など、社員それぞれの状況に応じたものを新方社長が選んでプレゼントしているそうです。
「これからはもっと下がる」 離職率の低さの理由
当社が抱えている課題は、人財を育成できるリーダーを増やすことです。現状では、私自身が指導することが多いのですが、今後は中間層でもしっかりと社員が育てられるような組織にしていかなければなりません。
ただし、人の成長を促すことはなかなか難しい部分です。ある段階までは教えられますが、一定レベルから先は自主性がなければ成長につながらないからです。自分の足りない部分は自分で勉強したほうが確実に伸びます。部下や後輩、新入社員から自主性をうまく引き出す指導ができるリーダーをこれから育てていきたいです。
当社の離職率は比較的低いほうだと思います。その要因は、社員の適材適所ができていることにあると感じています。役割によって仕事量に差があったり待遇が違ったりするため、社員一人ひとりと対話しながら、それぞれに合った職種・役割にポジショニングできていることが、離職率の低さにつながっているのではないでしょうか。
その適材適所は現状、ひとつの事業内で完結しているのですが、これからは事業を拡大していくフェーズに突入するので、社員一人ひとりの想いを汲み取り、より適した役割を用意できます。そのため、離職率はさらに低くなると思っています。
そしてゆくゆくは、当社の原点である東京都北区に自社ビルを建てたいと思っています。1階は不動産の店舗にし、2階は工事事業の本社を構え、3階で飲食事業を展開。4階以上は賃貸住宅にして、希望する社員には住んでもらい、営業マンはそこからそれぞれの営業拠点に通ってもらう。そのような、当社の社員や事業がリンクする自社ビルを建てたいです。この目標はすぐそこまで迫っているので、各部署をさらに強化しながら実現したいと考えています。


営業トップ成績のセールスマンが異動を申し出ても「断る理由はない」とおっしゃる新方社長。社員の想いをしっかりと汲み取ると同時に、異動することのメリット・デメリットを明確に伝えて、その社員の将来を親身になって考えているようです。
株式会社マイト プロフィール
2012年 | 株式会社マイト設立 |
2014年 | 北区王子本町へ移転 |
都民銀行王子支店 融資開始 | |
プライバシーマーク取得 | |
株式会社ジェイコム大田 取引開始 | |
2016年 | 資本金を100万円から1000万円へ増資 |