自分たちが頑張ってきたことは、成功へ繋がっていく
株式会社メイフーズ専務取締役 青山 剛士
社員と共に試行錯誤をくり返し、今、新たな領域に挑戦していく
会社を設立して17年。最初の5年ぐらいはずっと試行錯誤の繰り返しでした。
当初は社員数20名にも満たない程で、一般社員や役員、部署なども明確に分かれておらず、社員全員で店舗運営や経営について考えてきました。
そのなかで、ようやく「ラの壱」という独自のブランドを確立することができました。
現在、東海地方を中心に17店舗展開しており、店舗数も着実に伸びてきています。
今後は以前から運営している名鉄菜館やFC運営している焼肉きんぐなどの事業も含めて、幅広い事業展開を行っていきたいと考えています。
実際、この形をつくっていくまでには色々な苦労がありました。成功を打率で言えば、二割程度。長期的に見ればもう少し少ないかもしれません。それほどにフードビジネスを確立するためには色々なところで尽力する必要がありました。
特に辛いと思ったことは、現場で頑張ってくれている店長の元気がなくなることです。
新店をオープンしてもお客様の来店が思うように伸びず、その理由の分析もなかなか上手くいかず、悩みを抱える店長が何人もいました。それでもなんとかやっていきたいと、踏ん張ってくれるのですが、売上が上がらない以上は我々としても苦しい判断をしなければならないこともあり、店舗を畳んだこともあります。
そのような苦難を乗り越えて、ようやくフードビジネスのやり方が理解でき、自社ブランドの立ち上げに成功したのです。そして、現在は店舗事業以外にも商品開発などにも注力しており、新たなビジネスの創造にも着手しているところです。


1999年に株式会社名鉄レストランの子会社として設立した株式会社メイフーズ。フード事業に特化した事業展開を行い、飲食事業だけではなく、商品企画・製造にも着手しています。
現場で活躍する社員たちが、やりがいを持って働ける会社へ
フードビジネスを行っている以上、必然的に営業時間が深夜に及ぶこともあります。そのため、疲れているなか運転をして事故を起こさないためにも、独身寮に関してはかなり初期段階から必需品のように設けました。
その他の福利厚生についてもある程度のものは揃えていますが、まだまだ充実しているとは思っていません。
前述した通り、これまでは事業を軌道に乗せるために必死でした。そのため、社内制度や環境の整備について着手できていないところが多くありました。しかし、現在はようやく組織としての規模も拡大してきましたので、社員たちが働きやすい環境づくりや制度づくりについて積極的に取り組んでいかなければならないと考えています。
そのような会社をつくっていくことで、社員たちもモチベーションをもって活躍できるようになりますし、組織として成長していくためにもそのような取り組みが必要だと思っています。
また、社内環境の改善については現場、本社どちらの意見も言いやすいような環境をつくっていきたいと考えています。特に通常で言えば、会社の規模が拡大していけばいくほど、現場と本社の距離が遠くなってしまいがちですが、当社の場合は重層階層にするのではなく、現場と本社の距離感を縮めていきたいと思っています。
そのため、「ラの壱」では月に1度、本社にて店長会議を行っており、私自身もその会議に参加をしています。
現場では多くの裁量を店長に一任しております。店舗運営においては、売上をつくるのも、費用をコントロールするのもすべて店長が行います。だからこそ、目標達成に対する過程や手法は店長自身が考えながら実行できる環境づくりが必要だと考えています。
もちろんSVもいますので、各店舗の店長はSVと相談しながら二人三脚で店舗の運営を行っています。


社内環境の整備に注力されているメイフーズ。現場と本部のみならず、役員との距離感も近く、常に意見やアイディアを発信しやすい環境づくりを目指されています。
現場と本部が一心となる会社づくり
今後はこれまでの17年間で培ってきたノウハウを活かし、フードビジネスを拡大していきながら地域に貢献できる会社を目指していきたいと考えています。
そのためには、今後の会社の中核を担う人材が必要不可欠です。
物事をポジティブに捉え、苦労を自分の成長と思える方と共に会社の成長を目指して行きたいと思います。私自身、これまで様々な苦労をしてきました。しかし、その苦労がないと成功には繋がらなかったということも、これまでの経験で実感してきました。
この苦労を単なる「辛いこと」と認識するのではなく、自分の成長や会社の成長として捉えることができれば、当社においても成長することができるでしょう。
また、フードビジネスは決して自分ひとりではできません。
一緒に働いていくみんなが楽しく、やりがいを持って仕事に臨めるようなリーダーシップを発揮していかなければなりません。そのような気持ちを持っている方であれば、上手く店舗をまとめていくことができると思います。
今後、当社ではジョブローテーション制度の導入も検討しています。しかし、どのポジションにおいても「現場」を大切にしていかなければいけません。
よく学生のなかには、すぐに商品開発や本部での勤務を希望される方がいらっしゃいます。現場には「朝から晩まで働かなければいけない」というイメージを持っており、それを懸念されていらっしゃるのかもしれません。
しかし、私たちにとって現場こそが商品であり、お客様なのです。顧客満足度を知り、より良いブランドをつくっていくためにも、リアルなニーズに触れ、それを理解していかなければなりません。
もちろん、フードビジネスに対する悪しきイメージがあるのであれば、当社としてもそれを払拭するべく、社員がやりがいを持って働けるような環境づくり、目標設定などの仕組みづくりを行っていかなければならないと考えています。


ひとつの店舗というチームで働いていくため、社員同士やアルバイト・パートとのコミュニケーションを非常に大切にされています。新店がオープンする際は、別の店舗の店長が率先してサポートに行くなど、共に支え合う文化が根付いています。
青山 剛士 プロフィール
1979年 | 関西大学卒業 |
1979年 | 名古屋鉄道㈱入社 |
1980年 | 文化サービス部配属、沖縄勤務 |
1983年 | 同部熱田の森文化センター勤務 |
1987年 | 同部野外民族博物館リトルワールド勤務 10周年企画であるドイツバイエルン村オープンに飲食物販責任者として携わる |
1995年 | レストラン事業部へ異動 |
1997年 | 分社化により㈱名鉄レストランへ |
1999年 | ㈱名鉄レストランの分社により㈱メイフーズ設立 名鉄菜館を引き継いだ他、事業の推進者として、以下の事業を手掛けていく |
2001年 | 焼肉店一番カルビ(現:焼肉きんぐ)オープン |
2003年 | ラの壱瀬戸店(1号店)オープン 以降、順次店舗拡大 |
2010年 | パーキングエリア運営事業開始(神田PA) |