“人と人の縁”が結ぶ無限の可能性
トラスティーパートナーズ株式会社代表取締役社長 関野 大介
人との繋がりが持つ「可能性」と「将来への広がり」
前職では投資不動産会社で事業部長として営業部を率いていました。
入社当初は自分の売上を上げることを大切にしており、役職が上がっていくごとに会社の売上を主軸として仕事をしていました。営業マンは技術職とは違い、いくらでも代わりの人材がいる。売上を上げられない社員が退職してしまっても別の人間を採用すれば良い、そう思っていた時期もありました。
その結果、会社は創業時から増益増収を続け、IPOを実現。私はその成長をアシストできていたわけですから、これも一つの成功例だったのかもしれません。
しかし会社を退職し、これから自分で会社をつくり上げていこうとしたときにそれまでの7年間を振り返ると、結局残ったものは「お金」と「スキル」だけでした。
これまでも人の大切さが財産である、ということは頭ではわかっていたつもりでしたが、いざ自分に残ったものと向き合ったときに人との関係性が持つ役割を痛感しました。
今後は「人」を主軸として会社を経営していきたいと考え、信頼できる仲間、信頼できるお客様と一緒に会社を展開していこう、という想いを込めて「トラスティ―パートナーズ」と社名をつけました。
実際、当社では何よりも社員を大切にすることを重視しています。そうすれば社員はお客様を大切にし、お客様から感謝されることが増えれば自然と売上も上がっていきます。
不動産会社と言うと、少しグレーな部分を感じる方もいらっしゃるかもしれません。実際、業界としては商談時に若干のリスクを明確に伝えていないというケースもありました。
しかし、これではお客様とクリアな関係性は築いていけません。
当社ではお客様と良好な関係を築き上げるためにも、社員にもお客様にも常にオープンな態勢でいます。そして何かを決断する際の判断基準は「どうすれば社員が喜ぶか」「どうすればお客様が喜ぶか」「会社にとって有益なものは何か」です。それを考える基軸として経営理念、企業理念、営業理念があるのです。


社名に込められた想いについて語ってくださった関野社長。社員を思いやる社風はご自身の経験から得た応えでした。
女性が活躍できる環境をつくることが、“良い会社づくり”の一歩
今大切にしていることは“良い会社”づくりを行うことです。
不動産業界は割と男性が多いのですが、当社は女性が圧倒的に活躍できる会社を“良い会社”と定義つけています。女性が働きやすい環境であれば、結果的に男性も働きやすくなりますから、常に目線は女性目線を大切にしています。
しかし、今はまだベンチャーなのでそこまで多くの制度が確立されているわけではありませが、1ヵ月間頑張ってくれた社員を労う取り組みを積極的に導入していきたいと考えています。
また、当社では給与においても様々な支給項目を設けております。
会社ごとに色々な設定方法があると思いますが、私は人の評価に対する給与の支給は積極的に行っていきたいと考えています。
営業マンは単純に多く稼ぎたいという人も多くいますが、正当な評価を受けたいと思っている人たちが多いんですね。だからこそ、社会のテンプレートに則って社員を評価するのではなく、その一人ひとりの活躍に目を向けた評価を行わなくてはなりません。
それらを実行していくと、人は長く活躍してくれます。
中には入社して1ヵ月程で「やっぱり不動産投資は自分に合わなかった」と辞めてしまう方もいらっしゃいましたが、3ヵ月以上働いている女性の方の離職はありません。
単純な話に聞こえるかもしれませんが、女性の営業マンが活躍していると、男性の営業マンも「負けたくない!」と積極的に頑張るようになります。
互いを良きライバルとして切磋琢磨することは、上司や私から「これをやれ」と言われるよりも意味を成しえるのだと思います。
実際、社員に対してはそのような戦略的な面もオープンにしているので、社員と会社の方向性のマッチングや風通しの良さは非常に良いと思います。


自身のマネジメントに関する考え方から会社の経営方針まで、すべてをオープンにされている関野社長。「クリアな経営を行っていきたい」という想いから、様々なことを社員と共有することが関野社長のスタンスだそうです。
「社員を大切にする」その言葉の真意
当社のメンバーは仮に「これ以上売上が上がらなければ来月会社がなくなる」と言っても、誰一人辞める人はいないと思います。最後の最後まで一緒に戦います、と手を取ってくれるメンバーばかりだと思います。
これまでも何度かそのような危機もあり、社員にその状況を説明したこともありましたが、誰一人として辞めることはありませんでした。
本来であれば、彼らはサラリーマンなわけですから、会社の業績に一喜一憂する必要も責任を負う必要もなく、もっと業績の良い会社へ転職することもできます。
しかし、それどころか「みずくさいじゃないですか。もっと早く言ってくださいよ」と言ってくれたメンバーが多くいました。
私は「社員を大切にする」という言葉の真意は社員に優しくすることではないと思っています。時間外の部分でも「仕事をしよう」「会社へ行きたい」「この会社で良かった」と思えるような環境づくりだと思っています。
そのためには、自身がこの会社の決算状況をしっかりと理解し、経営の軸を持ち、社員を守ってあげることが「社員を大切にする」ということだと思っています。
今後も社員たちが新しい環境に挑戦したいと思ったときに、様々な選択肢を与えられるようにきっかけを大切にしていきたいと考えています。
今後一緒に働いていくメンバーとしては、スポーツなど何かひとつのことに全力で取り組めたことがある人。まだ達成できていなくとも、自信を持って「ここだけは誰にも負けない」と言える人が良いですね。
仕事ですから、時には嫌になったり挫けそうになる状況もあります。しかし、例えばそこでスポーツをやっていた人だったら諦めそうになりながらも踏ん張り、頑張った経験を持っている人が多いですよね。そういう経験があれば自分でモチベーションを上げ、困難な状況も打開することができると思います。


様々な困難も社員と共に乗り越えてられてきた。無責任に優しくするのではなく、社員の将来や可能性を想い、それが社員に伝わっているからこそできることなのかもしれません。
関野 大介 プロフィール
2004年 | クルーガーグループ株式会社に入社し、NHK受信契約事業に携わる。 |
2006年 | プロパティエージェント株式会社に入社。不動産コンサルティング事業で頭角をあらわし、トップ営業となる。 同社で初めて未経験で入社して営業部長まで昇格した。 |
2013年 | トラスティーパートナーズ株式会社を設立、代表取締役社長に就任。 |
2014年 | NHK受信契約推進事業部、PRマーケティング事業部、アセットマネジメント事業部と、次々と事業部を立ち上げ多角的な事業展開を進める。 創業以来、増収増益を続ける。 |