クライアントから指名されるSEを育成することこそ「真の信頼」
株式会社システムD3代表取締役 古内 康敏
お客様のリクエストに応えるべく、フリーランスから法人設立へ
大学卒業後、富士通系Slerとして入社しました。
そこではUNIXサーバのハード・OS周りのサポートなどを担当しており、主に官公庁関係のシステム開発に携わっていました。SEとしての楽しさを感じている最中、家族の健康上の都合で会社を退社することとなり、それから数年間はソフトハウスで働いていました。
1999年からはフリーランスSEとして大手ITベンダとの契約の下で働き始めました。
徐々にお客様との信頼関係を築いていけるようになり、もっと大きなプロジェクトに携わっていきたいと考えるようになりました。しかし、プロジェクトメンバー確保の点において個人事業主としてできる業務の範囲は狭かった。お客様のリクエストに応えるべく起業を決意。2004年に株式会社システムD3を設立しました。
しかし、スタートアップの頃はプロパーを抱えること自体が経営リスクだったため、プロジェクトごとに必要となる人材はパートナー企業様の力を借りながら、基本的には私一人で仕事を行っていました。
次第にお客様から色々なプロジェクトを任せていただけるようになり、今度はプロパーを抱えなければお客様のリクエストに対してタイムリーに応えられない状況が発生するようになり、会社の体制面を強化するべく、人材採用を強化するようになりました。
今後は直近1~2年で3名採用し、その後5年程で最大10~15名規模まで強化していきたいと考えています。しかし、焦ってそれ以上に会社を大きくしていこうとはあまり考えていません。やはりお客様から評価いただいているのは、きちんときめ細やかなマネジメントができており、それぞれのプロジェクトに対してしっかりと責任を持ちながら取り組めているからだと思います。無責任に人材を増やし、責任感の薄い仕事をやることはまったく考えていません。


自身も現役でプロジェクトに携わっている古内社長。現場目線だからこそ、SEと近い立場になってよりリアルな情報共有ができるそうです。
人材は会社の「財産」。だからスキルアップもしっかりサポートします
今後は人材採用に注力していくと同時に、社員のスキルアップにも注力しています。その一環として、厚生労働省が推奨している「職業能力開発計画」に準じ、弊社独自に職業能力開発計画を策定し、テクニカルスキルおよびヒューマンスキルのアップを図っていきます。
その他にも技術書籍の購入費の支給やLPICやCCNA、CCNPまたAmazon Web Service関連などの資格取得に関する費用の支給など、技術面のスキルアップに関しても積極的に支援を行っています。
また今後は、外部のキャリアコンサルタントを活用したキャリアコンサルティング制度を導入していこうと検討しています。
社内改革を行っていくにしても、社長である私と社員だけの関係性だけではあまり変わらない。社員それぞれが自分のスキルマップを客観的に立案できるようになるためにも、第三者の目というのを大切にしていきたいと考えています。
会社にとって人材は「財産」です。前述した通り、リーマン・ショックなどの不況にも負けず、会社を経営できたことは、きちんときめ細やかなマネジメントを行い、しっかりと責任ある仕事の先にある「お客様からの信頼」があったからだと思います。
逆に言えば、スキルを身に着けると言うことは、一種の手段なんですね。
スキルを身に着けることで、そのシステムやプロジェクトを求められているお客様の満足度を上げることができ、お客様から感謝していただけることに繋がっているのです。
だからこそ、その信頼は会社の名前のみならず、一人ひとりのSEに寄せられているものであり、テクニカルスキルはもちろん、ヒューマンスキルを高めていく必要があるのです。
エンジニアのスキルアップと言うと、どうしても現場や案件依存になりがちです。しかし、それだけではない、独自の軸を持っていたいと考えています。しかし、自社だけではなかなか教育が行き届かない現状もあります。そのようなところでは外部の教育制度やパートナー様の力を借りながら、会社としてしっかりと社員のスキルアップを支援していきたいと考えています。


プロジェクトの内容が多岐に渡る中、お客様のニーズにいち早く応えるため、社内教育制度の拡充に注力されています。社外の教育機関やサービスなども積極的に取り入れ、SEとしてのキャリアアップを支えています。
常にトレンドにアンテナを張り、技術を極める
教育制度の強化に併せ、新たにAWS(Amazon Web Service)を利用したクラウドシステムのエンジニアを育てていきたいと考えています。
これまではインフラ関係のサーバインフラ、ネットワークインフラを中心に行っており、オンプレミスつまり物理サーバの設計や構築のプロジェクトがメインでした。
しかし、近年ではクラウドシステムがひとつのキーワードとなっており、AWSに関してはまだ誕生して日の浅い技術になるので、技術者の数もそう多くはありません。
だからこそ、希少価値の高いエンジニアを教育することができ、ひいては顧客満足度の向上にも繋がっていくのです。
私もプロジェクトマネージャーとして現場に出て、様々な案件の話を伺いますが、これからのシステム開発のトレンドに対応できるようになれば、自然とビジネスチャンスも広がっていきます。
IT業界は、良くも悪くも多重の請負構造となりがちですが、お客様から離れたポジションであればあるほど、自分が携わっているプロジェクトの全貌が見えづらくなってしまいます。
私たちはシステム全体を把握し、自分たちが担っている仕事をしっかりと理解した上で、責任を持って仕事をしていただきたいと考えていますし、私は社員全員にそれを願っています。
そのためにも、広い視野を持ってシステムを見られる方、さらにその中で自分の役割を明確化し、モチベーションを持って仕事に取り組める方と一緒に仕事をしていきたいと考えています。


「お客様と近いポジションで、責任ある仕事を行う」ことを大切にされている古内社長。その仕事に対する誠実さ、高い技術力は多くのお客様から支持されております。
古内 康敏 プロフィール
1991年 | 芝浦工業大学 電気工学科卒業 富士通系Slerへ入社。UNIXサーバのハード・OS周りのサポートに従事。 |
1999年 | フリーランスSEとして活動開始。初仕事は「アクアマリンふくしま」館内展示システムのネットワーク設計・サーバー構築 |
2004年 | 個人事業主から法人設立へ。株式会社システムD3設立。 |